これから何回か分けて私が好きな音楽家(打楽器以外)を紹介したいと思います。
まずはヴァイオリン。
10年以上変わらず好きなヴァイオリニストは奥村智洋さんです。
彼の音程感、説得力のある誠実かつ大胆な音楽性は素晴らしいです!
奥村さんは私が大学2年生と3年生の時、当時在籍していた東京芸術大学の打楽器アンサンブルで共演させていただきました。
当時あまりにも無知であった私ですが、音程・音色・リズム感、楽曲を演奏するにあったって学ぶ方法などを奥村さんから学びました。何よりも奥村さんが演奏したバルトークによって、私のヴァイオリン観というものは作られたと言っても過言ではありません。
現代とにかく多くのヴァイオリン奏者がいて、演奏会も録音沢山されています。その中で私のような者がヴァイオリンの音楽を聴きたい、と思った時、どなたのものから聴いて良いのか選択肢の幅がありすぎて困ってしまいます、、。でも、幼少の頃からとはならずとも学生の頃に奥村さんの演奏に出会え、録音を繰り返し聴いた事は、今の私にとても生きています。
また個人的な事ですが、私が当時年齢的には少し遅めのドイツ留学を決めた際、様々なアドヴァイスを多方面からいただきました。
その時、奥村さんに
「留学して一番良いのは時間が沢山できる事だから、その時間を大切にゆっくり勉強すると良いですよ。」
と言っていただきました。
それは実際にドイツに来てから、大変実感し、精神的に救われた一言でした。
私はドイツに来てまず自分の奏法を変える事に専念しましたので、学内外で演奏をする事を控えていました。しかし、同級生先輩後輩が社会の中で活躍している中で、再び学生として過ごす気まずさに辛い時もありました。しかし奥村さんのこのひと事で精神的にとても救われ、沢山できた時間を多くの事に使うのではなく、自分の音に向き合う、という一つの事に使う事ができたのです。
私は大学入学当時から留学を視野に入れてきた訳ではなかったですし、自分なりの留学の目的や将来の事、経済的な問題等から留学自体にとても不安がありました。しかし、留学経験があり、かつ音楽的に尊敬している方からのこのようなアドヴァイスをいただけた事本当に幸運でした。
そんな奥村さんは新譜を出されたようです。
今年日本に一時帰国する相方に買って来てもらおうと思います。
みなさんもぜひ!
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