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日本滞在日記2

日本滞在日記の 続きです。 6月27日に東京オペラシティリハーサルホールで行われていましたリレーション`70の演奏会に後半だけ伺いました。(前半は同時刻コンサートホールでNHK交響楽団尾高賞受賞記念演奏会を聴いてました) このグループは、フルート・ヴァイオリン・ピアノのトリオ編成の可能性を求めて、70年代に活躍したグループ「室内学70」を受け継ぎ、次世代への継承を目指し、フルート永井由比、ヴァイオリン三瀬俊吾、ピアノ大須賀かおりとオリジナルメンバー野口龍(監修・フルート)と共に、新たに取り組むというコンセプトのもと結成されたそうです。 このようにコンセプトが明確であるために、演奏会としても音楽的にも、その方向性が明確であることが際立ったものでした。 私は幕の内弁当的なものより、「今日はひたすら春菊を食べる!」みたいに単一のもの徹底して味わうのが好きなのでとても楽しむ事ができました。 また演奏家の技術力・経験力の高さ、加えて楽譜に改めて真摯に向き合っている事を感じさせる深みのある演奏が特筆すべき物でした。(特にヴァイオリンの三瀬さんの楽譜との距離感を見るに非常に準備をされているのでは、と思います。)この事により、70年代に作曲された作品が未来の古典作品としてこれから生き続ける生命力を吹き込まれていたように思います。 リレーション `70の演奏会は次回で最後になるそうですが、非常にお薦めします。 *本文とは関係ありませんが、母校芸大への懐かしの通学路と、変わらずのどかな芸大前の電話ボックスで寝ていた猫。

モバイルギロ。

日本滞在記2の前にこちらを。 ドイツ・ケルン市にはSchlagquartett Köln という現代音楽のスペシャリストである4人が集まった打楽器四重奏団があります。 そのリーダーThomas Meixnerさんは、以前にもブログに書きましたがハリーパーチの楽器をほぼ全て1人で製作したり、学生時代大太鼓を胴から自作するという日曜大工の域を越えたただものではない人物であります。(本人曰く、全て独学)                     そんな彼が先日作ったモバイルギロ。 長いギロを入手するのに今まで苦労して来た打楽器奏者には、目から鱗のこの構造。 これで商売をしよう、などと微塵も考えていない彼の行為によりこのギロを紹介します! 材料は 段ボール 溝を付けた木の棒 木の板 アルミなどの金属枠(ドイツではこの角度を付けて曲げられた状態で売っています) 写真のように、木の板の両側に金属枠を取り付けます。(これは穴をあけてネジで固定) 板の幅より広めの段ボールの真ん中に接着剤で溝を入れた木の棒を貼付けます。 この段ボールを金属枠と木の板の間にはめ込んで出来上がり。 これが驚きのサウンドなのです。 段ボールと木の板の間の空間が共鳴帯になり、豊かな響きを作り出すのです。 スタンドに固定する部分ですが、彼は木と金属で既製のシンバルスタンドにはめられるものを作っていました。 これはスーツケースに入れて簡単に持ち運びできます。 彼も、移動中に新しいギロを作りたくなり、ホテルの部屋で製作したそうです。 おためしあれ!

日本滞在日記 1

今回の一時帰国では、東京現音計画(足立智美プロデュース)、リレーション`70、NHK交響楽団尾高賞受賞演奏会と全く異なるタイプの現代音楽の演奏会に伺いました。 リレーション70とNHK交響楽団の演奏会は、同じオペラシティ内のコンサートホールとリサイタルホールで同日同時刻に行われており、私は前半N響、後半リレーション70とはしごしたわけですが、どちらも集客はまずまず盛況と行った所で、「熱いではないか日本の現代音楽シーン!」と思った次第です。 NHK交響楽団の演奏に関しまして、スコアを見ていませんし私が何かしのごの言えるような立場ではありませんので割愛。あ、もちろん素晴らしい演奏でした。さすがだと思いました。 ただ、開演15分前の作曲家によるトークが会場のざわめきが多く、非常に残念な状態で行われていたのは驚きました。 もちろん開場時間中に行うとの記載はありましたが、実際時間的にもトーク後の入場も可能でしたし、興味がない人は会場の外で待っていただいた方が、トークセッションが何かの傍らで行わるものではなく、作曲家の生の声を聞く事のできる集中したものになったのではと思います。 舞台で作曲家とインタヴュアーが話をしているのに、入場者の遠慮のない足音や係員による案内(声大きめ)、客席そしてドアを解放していた為にロビーからのおしゃべり声が終始聞こえていたのは、私としては正直不快でした。 トークそのものはとても親しみややすい印象を受けましたが、たとえそれぞれ5分程度のインタヴューでも作曲家の自作に関するコメントを聞く環境が整っていて欲しかったな、と思います。 あと個人的にはチューブラベルというのは、使い方が難しい楽器だなと思いました。 1曲目の最後で盛り上がった末、チューブラベルの一音だけフォルテで演奏されるソロがあったのですが、フルオーケストラの音の深さの後に、何か啓示的な印象を受ける音が若干楽器として貧弱な感じがあり、その危うさというか肩すかしを食らった感じに一瞬冷や汗が出ました。(もしかしてこれが狙い?) 例えばそれが本当の鐘を使うとよかったのか、同音程の楽器を2つ同時に演奏するとか、なるべく楽器を響かせ、倍音を消さない為に独立したスタンドにその一音だけ別に用意したら違うのか、などとその後考えてみましたが、演奏者の気合いだけ

ホームページ

まだまだ工事中ですが、ホームページを作りました。 ぜひご覧ください。 http://riewatanabe.net/

日本でのライブのお知らせ。

「ドイツ ↔ アケタ 2014 」 渡邉理恵 ( 打楽器 他 )        ゲスト : 橋本晋哉 ( テューバ )      2014 年 6 月 15 日 ( 日 ) アケタの店(西荻窪) 杉並区西荻北 2-21-13 吉野ビル B101 15:30 Start (15:00 Open) チャージ :2200 円 (1 ドリンク付き )    プログラム ジョン・ケージ「 One4 」 マウリチオ・カーゲル「エキゾティカ」よりソロ トム・ジョンソン「カウンティングファイブス」 足立智美「即興演奏のための練習曲」 ほか 開店 40 周年の老舗ジャズライブハウス西荻窪「アケタの店」。 私にとってアケタの店は、ジャズを越えて表現する事とは何かを考えさせてくれる場所です。 2005 年ドイツに渡ってからも、あの頃アケタの店で出会ったような方や音楽と出会い、 9350 キロの距離感を感じず、日々西荻・アケタの店を身近に感じながら生活しております。 繊細大胆、気合いにゆとり、誠実さと遊び心。 そんなアケタとドイツで出会った作品をお届けします。

いい話を聞かせてもらった。

しみじみと感動した話を聞いたので書き留めてみました。 ヨハネス・フィッシャーというドイツ人打楽器奏者がいます。彼は2007年に ARD 国際音楽コンクール(ミュンヘン国際音楽コンクール)で一位を受賞し、その後ソリストとして活躍しつつ、29歳でリューベック音楽大学の教授にもなった非常に優秀で素晴らしい音楽家です。 光栄なことに私は彼とたまにアンサンブル musikFabrik の仕事で一緒になるのですが、先日そんな彼からこんな素敵な思い出話を聞きました。 ヨハネスがまだフライブルク音楽大学の学生であった頃、フライブルクとケルンの音楽大学作曲クラスの交流企画で、ケルン音楽大学に作曲科学生の作品を演奏をしにいったそうです。 当時ケルン音楽大学の打楽器クラスは、クリストフ・カスケル氏が教授をしておりました。カスケル氏はシュトックハウゼンの「チクルス」やラッヘンマンの「アンテリオール」などの打楽器ソロを始めとする多くの新作初演を行い、様々な作曲家に大きく影響を与えた伝説の人物です。また彼のもとで勉強をした多くの打楽器奏者が、現在のドイツ現代音楽界を支えていると言っても過言ではありません。 さてヨハネスが、ケルンでの交流企画の数週間前、突然このような電話がかかってきたそうです。 「フィッシャーさん、私はケルン音大のクリストフ・カスケルです。今回演奏に来てくださるの楽しみにしてます!あなたが使う楽器のリストは、事前に作曲家からもらっていますが、全部こちらで用意させていただきます。当日は何時にケルン音大にいらっしゃいますか?私の生徒が玄関でお迎えして、お手伝いをさせていただきますからね。気をつけていらしてください」 定年退職数年前60代後半・伝説のカスケル氏から非常に丁寧な電話(ドイツ語で丁寧語である Siezen で使っていたそうな)をもらい、当時20代始めのヨハネスは非常に驚き、感激したそうです。そして彼の話のとおり、コンサートの当日は本当に学生が玄関で迎えてくれ、楽器の手配、セッティング等を非常に親切に手伝ってくれたそうです。 そしてコンサートが終わり、ヨハネスが片付けようとしたところ、再びカスケル氏がやってきて、こう言ったそうです。 「フィッシャーさん、素晴らしい演奏をありがとう!片付けは私の生徒達がやりま

ドイツに戻る。

1月1日から普通に家人とリハーサル&練習と過ごし、1月5日のコンサートが終わった後には、正月は既に過ぎ去ってしまった気分となってしまいました。そしてドイツに戻る飛行機の中で2014年2回目のブログをやっとこさ書き、滞在先のスタバで投稿している 次第です。 さて今年の目標(昨年からの持ち越し込み含む)をここらで立ててみようと思います。 1.ドイツ語の勉強 2.ホームページの作成 3.倹約生活 4.基礎技術の向上 その他に近々詳細を公開させていただく特別なプロジェクトが3つ控えております。 それに向けて、このブログももう少しマメに更新していきたいな、いかなくてはな、と、、きっと去年も思ったに違いありませんが、思っております。 そんなわけで今年ドイツでのコンサート第一弾はこちら。 来月は待ちに待ったStephan Winklerの新作ミュージックシアターの初演も控えております。 http://www.wuppertaler-buehnen.de/index.php?id=1852 さてこれから時差ボケに立ち向かいます。

明けましておめでとうございます。

新年あけましておめでとうございます。 2014年はブログの更新頻度を高めなくては、、。 今年初弾きは、美山千香士作曲一枚の紙とライブエレクロニックのための「パピルス」リハーサルでした。 本番はこちら。 http://chikashi.net/monten/ 今年はパーカッショントリオKaiの活動もどかーんと企画しております。 本年もどうぞよろしくお願い致します。